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小説、映画、音楽の感想など

本 「言語起原論の系譜」互盛央, 2014

言語起源論の系譜

言語起源論の系譜

古代エジプトの王の実験から現代の統計処理による最初の言語の推定まで多くのエピソードや研究者が出てくる。

最初の言語は何か、という問題が、隣国との関係で不安定な国の正当性確保のために持ち出されるのは、なるほどと思った。

旧約聖書を記述しているために特権的だったヘブライ語が、ダンテや宗教改革を経て複数の言語のうちの1つという位置づけになり、19世紀には生物学の進化論を背景にセム語は劣った言語のように言われるなど、反転する様がスリリングだった。

言語は自然に生まれたのか、それとも人工的に作られたのか、という対立を軸に描いているんだろうな、とは思う。最後ソシュール止揚されたような形か。

情報量が多く、整理がやや抽象的だったので難しかった。フランス現代思想が基盤になっているんだろうか。歴史の説明として「フーコーはこう言っている」というのはどこまで意味があるんだろう?

多くの時代、多くの人物がつながっていくのはおもしろかった。

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