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本 異文化コミュニケーションのAtoZ

 

改訂版  異文化コミュニケーションのA to Z ― 理論と実践の両面からわかる

改訂版 異文化コミュニケーションのA to Z ― 理論と実践の両面からわかる

 

 この分野を勉強しないと先に進めない気がしている。体系化出来ているのだろうか? 単なる分類だけでなく、因果関係を説明する理論があるのだろうか? 

時間はかかりそうだが読み進めて行きたい。

 

と思ったが、第1章でいきなり次の文に出会った。

コミュニケーションの達人でなければ、コミュニケーション学が(原文ママ)教えられないとすれば、フェミニズム学を教える人が女性でなければいけない、のといっしょです。(p.1)

後半が「フェミニズムの知識が多くない人が他人にフェミニズム学を教える事は出来ない」なら私は分かる。しかし「女性でなければ」という仮定は、「当事者かどうか」という条件に話をすり替えていると私は思う。コミュニケーション学が学問として蓄積を持つなら、コミュニケーションの達人でなくてもコミュニケーション学を教えられると思うが(学生が忍耐強く理解力があれば)、しかし教師がコミュニケーションをとる当事者である必要はあるだろう。

コミュニケーションの中に教える、教えられるという行為を含んでいるから話がややこしいのだろう。

経済学者だってバブルを予知できなかった、ともあるが、バブルの定義として予知できない物なのではないか?

 

p.25 の認知過程のモデルは役に立ちそうだ。情報から行動までの間を、受け入れ、解釈、価値判断の3つに分けている。遅延、複数のステップがある事、は私が関心を持っている事の説明に使えそうだ。

しかし違和感があるのは、受け入れと解釈は比較的普遍で、価値判断は文化差、個人差があると書いた所。受け入れは物理的レベル、解釈は受け手の既存のコード上に配置する事かと思うが、こここそ異文化コミュニケーションの難しい点であり、暗号解読のようなおもしろい所ではないかと思う。しかしこれは私が自分の関心に引き寄せすぎている事もある。

 

結構色々な分野の説のコンセプトの紹介があった。ガダマーの解釈学は思っていたのと違っておもしろそうだと私は感じた。ただ各説がそのまま紹介されているようで、もう少し初心者向けに説明してほしいと思った。

 

 巻末の大量のクリティカル・インシデント集はおもしろくて為になる。世界には私の知らない事が沢山あるなと思った。